- 買う前
別荘は年何泊なら得か。単一の答えは出ませんでした

3行まとめ
- 以前このサイトで書いた「損益分岐点は年20泊」は、前提が間違っていた。取り下げる
- 別荘を買う、共同所有を買う、毎回借りる。3つを並べると、どれにも確かめられない費用が残る
- 自分の泊数を正直に数え、分からない費用を聞くところから始めるしかない
この記事の内容
先に訂正: 「年20泊」は取り下げます
以前このサイトで、別荘と共同所有を30年で比べて「損益分岐点は年20泊」と書きました。前提が間違っていました。
- 別荘の側に積んだ光熱費「年15万〜25万円」に、出典がありませんでした
- 共同所有(SANU)の側に、固定資産税・火災保険料・修繕積立金が入っていませんでした。 SANUの公式ページには、管理費にこの3つは含まれないと注記されています
- 10年の比較では、別荘の30年分の費用を3で割っていました。10年で手放すなら売却額が要りますが、それは分かりません
別荘の側にだけ、出典のない光熱費を大きく積んで比べていたことになります。
この記事では、単一の分かれ目は出しません。確かめられた費用と、確かめられていない費用を、両方並べます。
3つを並べる
比べるのは、次の3つです。
- 別荘を買う: 三井の森 八ヶ岳(原村)の実際の物件。建物61㎡、浄化槽(2026年8月の掲載時点)
- 共同所有を買う: SANUの蓼科1st(茅野市)。泊数を買う形で、年8泊から60泊まで選べます。この記事では年8泊と年12泊を並べます
- 何も買わず、毎回貸別荘を借りる
同じものを比べているわけではありません。 場所も広さも、持ち方も違います。そのうえで、払う額を分けて並べます。
| 別荘(物件A) | 共同所有 年8泊 | 共同所有 年12泊 | 毎回借りる | |
|---|---|---|---|---|
| 買うとき | 約1,308万円(価格+仲介手数料) +大修理基金80万円(預かり金) | 330万円 | 440万円 | 0円 |
| 毎年(確かめられた分) | 約13.4万円(管理費+家屋敷税) | 約8.5万円(借地料込みの管理費) | 約12.7万円 | 1泊の料金×泊数 |
| 10年の合計(確かめられた分) | 約1,442万円 | 約415万円 | 約567万円 | 年10泊なら150万〜500万円(例) |
別荘は三井の森の物件詳細ページ(2026年8月時点)。家屋敷税は原村で4,500円と考えられる額。共同所有はSANU公式の蓼科1stのページ(2026年10月8日に確認)。
別荘も共同所有も、10年の合計には買うときの代金がそのまま入っています。 どちらも売れば戻ってくる分がありますが(共同所有は取得から4年目以降で、売るにはSANUの承諾が要ります)、いくらで売れるか、買い手が付くかは分かりません。
共同所有の価格は変わる前提で見てください。 蓼科1stのページの取引条件の有効期限は、2026年7月31日でした。検討するときは、公式で最新の条件を確かめてください。
毎回借りる場合の料金は、1つに決められません。 2026年8月に調べたとき、「軽井沢の貸別荘」という同じカテゴリの中で11,800円から61,540円まで幅があり、原村の一棟貸しは1泊37,400円からでした。予約サイトによって「1棟あたり」「大人2名あたり」と単位もばらばらです。表の150万〜500万円は、1棟1泊1.5万円と5万円を例として当てはめた額です。去年、実際にいくら払ったかを入れてください。
どれにも、分からない費用が残る
表の「確かめられた分」の外に、どれにも分からない費用があります。
別荘
- 固定資産税・都市計画税
- 火災保険
- 修繕費(この物件は築25年)
- 光熱費
- 浄化槽の法定検査・保守点検・清掃
- 買うときの不動産取得税・登記費用
共同所有
- 固定資産税・火災保険料・修繕積立金(公式に「管理費に含まれない」と書かれていますが、金額は公式ページの本文では見つかりませんでした。資料請求で確かめてください)
- 家屋敷税がかかるかどうか(確かめていません)
毎回借りる
- 行きたい時期の料金。繁忙期は上がります
- そもそも予約が取れるか
どの選択肢にも、金額の分からない費用が残ります。 それぞれがいくらになるかが分からないので、どれが安いかは言えません。
通うための交通費は、どれを選んでもかかります。蓼科なら往復約1.3万円です(別荘までの交通費、エリアで1.7倍違いました)。
泊数で変わるのは、どこか
3つは、泊数への反応が違います。
- 別荘は、毎年の額が泊数でほとんど変わりません。 うちの別荘の場合、固定資産税とネット回線を除いて年16万〜17万円ほど。そのうち約12万円は、行く回数に関係なくかかります(別荘の維持費、同じ別荘地で管理費が4倍違いました)。行くほど、1泊あたりが下がります
- 共同所有は、泊数を買う形です。 蓼科1stは年8泊から60泊まで選べます。使わなかった泊数は、年度末にSANUが固定の賃料で買い取る仕組みがあります
- 毎回借りる場合は、泊数にそのまま比例します。 行かなければゼロです
どれが得かは、年に何泊するかで動きます。 だから、自分の泊数を正直に数えることが、最初の一歩になります。
うちは年12〜18泊でした
蓼科の別荘に通って4年目です。家族4人で年に5〜6回、1回あたり2〜3泊。年12〜18泊です。
買う前は、今よりもっと行くつもりでいました。実際は、仕事と学校の都合で、行けるのは長期休暇と連休だけでした。
買う前の見積もりは、たいてい多めに出ます。 去年の実績があるなら、それを使ってください。
金額では比べられない違い
期限があるかどうか。 この物件は土地も建物も所有権なので、期限がなく、売ることができます。ただし、すぐ売れるとは限りません。蓼科1stの土地は期限付きの借地で、2055年6月30日に終わります。 今から買うと、使えるのは約28年です。持ち分は、取得から4年目以降に売ることができます。ただし、売るにはSANUの承諾が要り、買い手が付く保証もありません。毎回借りる場合は、何も残りません。
荷物を置けるかどうか。 子どもの自転車、浮き輪、去年の絵本。行くたびに持っていかなくていい。車に積むのはクーラーボックスひとつ。着いたら鍵を開けて、いつもの場所にいつものものがある。荷物が置いてあるからこそ「もう一つの家」になるのだと、4年通って思います。
もちろん逆もあります。同じ場所にしか行けません。子どもが大きくなって来なくなったとき、建物だけが残ります。
数えてから、聞く
- 去年、何泊したかを数える
- 分からない費用を聞く。 別荘なら、仲介担当者に固定資産税の実額・修繕の履歴・浄化槽の費用を。共同所有なら、資料を請求して固定資産税・火災保険料・修繕積立金を
- 毎回借りるなら、去年いくら払ったかを書き出す
この3つがそろって、はじめて自分の場合を比べられます。


